大判例

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東京高等裁判所 昭和60年(行ケ)121号 判決

一 請求の原因一(特許庁における手続の経緯)、二(本件考案の要旨)及び三(審決の理由の要点)の事実は、当事者間に争いがない。

二 そこで、原告ら主張の審決の取消事由の存否について判断するに、請求の原因四の事実は当事者間に争いがなく、右争いのない事実によれば、審決は、相違点2、3について判断するに当たり、原告ら主張のとおり、本件考案が格別の作用効果を奏することを看過、誤認したものであり、この誤りは審決の結論に影響を及ぼすこと明らかであるから、審決は、違法であつて取消しを免れない。

三 よつて、審決の違法を理由にその取消しを求める原告らの本訴請求は正当としてこれを認容することとする。

〔編註〕 本件における審決の取消事由は左のとおりである。

審決挙示の第一引用例記載のものは、ボルトへの係合部材としてコレツトハウジング99の中に、ケージ部材104、ケージ部材104に支承されているくさび形のシユー105、シユー105の両端から突出しているスピンドル106を備えており、また、破断したボルト先端部の処理を、チヤンバ125、ピストン127などのクラツチ駆動機構、及び押し棒123などの伝達機構その他で構成される解放機構で行つており、これが前記ボルトへの係合部材と結合しているのであつて、右の破断したボルト先端部処理装置並びにボルトへの係合部材が一体となり複雑な構造となつている(別紙図面(二)参照)。

これに対し、本件考案においては単に、ナツトソケツト27の挟嵌部27´及びボルト握り部ソケツト29の挟嵌部29´においてナツト及びボルトの先端部が係合するという構成を採用し、また、破断したボルト先端部処理は単一の排出杆33で行うという構成を採用した。

この構成の相違によつて、本件考案では、第一引用例記載のものと異なり、極めて簡単な構造で、取扱いの極めて容易なボルト締付機が得られるという格別の作用効果を奏する。

審決は、本件考案と第一引用例記載のものとの間の相違点2、3について判断するに当たり、本件考案が右のような格別の作用効果を奏することを看過、誤認したものであり、この誤りは審決の結論に影響を及ぼすこと明らかであるから、審決は違法であつて取り消されるべきである。

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